世界は大国一つと5つの村で成り立っていた。
大国は全てにおいて絶対的なまでの資源を持ち、栄えていた。
村はそれぞれ大国に頼り、あらゆる物を請うた。
大国は村にそれぞれの習わしを守らせることで、その村に恵みを与えた。
しかし、その大国の平穏を乱す存在がいた。
一つは魔物。人に敵意を持ち喰らう物。
そしてそれら全てを統べているとされる魔女の存在だった。
5つの村の一つ・北西の村に忌み児として生まれた弟を連れて青年が旅をしていた。
自らの実力を振るい、魔物を退治する事で生計を立てていた。
彼は弟と安住に暮らせる地を探し続けた。
しかし、期待していた大国すら安住の地とは言えなかった。
村の忌み児として生まれた因習を生み出したのが大国であったからだ。
そしてその因習の理由が魔女という存在により生まれたものあることを知った。
ならば、と青年は考えた。
その魔女を倒すことが叶ったならば因習は無くなり、自分達も平穏に暮らせるのではないかと